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何も生み出せずにもがき続けていた、昨日までの自分へ。

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何も生み出せずにもがき続けていた、昨日までの自分へ。

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    【連載】深夜のモノローグ #02

    クリエイター(主に代表のみなせしゅん)が、エッセイを綴る企画です。

    深夜の勢いに任せ、読んでいてむず痒くなるような胸中をさらけ出すことで、同じように悩みを抱えているクリエイターさんの心が少しでも軽くなるような、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と安心していただけるような連載にしていきたいな、と思っています。

     

    バックナンバー:

    #01 産みの苦しみがない人生なんて、炭酸の抜けたメロンソーダと同じだ。

    #02 何も作れずにもがき続けていた、昨日までの自分へ。

     

     

    深夜のモノローグ #02

    ライター:みなせしゅん


     

    2020年の4月1日。WEBサイトの公開を皮切りに、このギルドは本格始動した。

    RYOZENの代表であるみなせしゅんは、この日のために2019年10月からサイトの制作をしていた。

     

    人生のヒントラボ #02でも言及したが、正直かなり大変だった。

    ギルドを世に広めるためにはオウンドメディアを持たなければならないと考え、それを運営するための「CMS(コンテンツマネジメントシステム)を作る」という漠然とした目標だけを掲げ、正真正銘ゼロから開発をスタートした。

    どうしたらコンテンツを追加しやすいCMSになるのか、実際に運営していくためにはどんな機能が必要でどういう設計にしたらデータの不整合が起こらないないのか、どうしたら使いやすくなるか……等、本当に様々なことを検討しながら開発していった。

     

    そうしていたら自然と、タイポグラフィと呼ばれるジャンルの、文字を題材にしたアートを作ることがかなり減っていった。

    ※ご存知の方もいるかもしれないが、みなせしゅんはTwitterで「もじロゴデザイナー」と名乗り、自主制作したタイポグラフィを投稿している。

     

    WEBサイト制作期間(2019年10月 - 2020年04月)中に制作した作品は、たったの15作品。つまり1ヶ月に2作品程度。

    2019年9月までは1ヶ月に8作品程度制作していたことと比較すると、本当にガクッとペースが落ちた。

    「とにかく今はサイト制作に専念しなければ」と、自主制作したい気持ちをぐっと抑え込んで、WEBサイト制作に取り組んでいた。

     

     

    そうして無事にサイトが完成し、4月1日に公開することとなった。

    ツイート直後から流れ始める、大量のアクセスログ。たくさんの方にアクセスいただけたことが、純粋に、嬉しかった。

     

    そしてその公開翌日の、4月2日。

    WEBサイト制作もようやくひと段落したことだし、久々に羽を伸ばしてタイポグラフィを作ろうとPCの前に向かった。

     

    でも、手は動かなかった。

    ブランクが原因で、思うように作品が作れなくなっていたのだ。

     

    Twitterを見ていると、毎日のように作品を投稿している方々が目に入るし、凄まじい勢いでフォロワーさんを獲得していく方々も、バズってものすごい数のエンゲージメントを獲得している方々も目に入る。

    「数は全てじゃない」とかよく言うけど、自分はそうは思わない。

    Twitterにおけるフォロワー数、RT数、いいね数は、「どれだけの価値を提供できているか」を測るためのわかりやすい指標だと思っている。

    だから正直焦った。

     

    でも、「何か作らなきゃ」と焦ったまま、真新しい作品を作ることなく更に2ヶ月経った。

     

     

    その間、何もしていなかったわけではなかった。

    エンジニアとしてのお仕事をしたり、RYOZEN内部で新しいプロジェクトを進めたり、個人でいただいたデザインのお仕事を進めたりしていた。

    ただ、「時間がない」を言い訳にして、タイポグラフィから目を逸らしていたのは事実だ。

     

    でも、時間がないなんて言い訳でしかない。

    時間なんて作ろうと思えばいくらでも作れることは自分が一番よく知っている。

    でなければ会社員時代に、仕事の合間を縫って自主制作と副業をこなすことはできなかっただろう。

    ※現在みなせしゅんはフリーランスだが、2019年9月までは会社員だった。

     

    だから何度も自己嫌悪に陥った。

    デザイナーとしての自分も、エンジニアとしての自分も、RYOZEN代表としての自分も、全てが中途半端に感じられてしまい、全てが嫌になっていた。

    やりたい気持ちは先行するが手は動かない、アクセルを全力で踏みながらブレーキを全力で踏み込んでいるような状態が続いていた。

     

    自分は今何がしたいんだろう、どこを目指したいんだろう、と何度も自問自答した。

    目指すべき方向が定まりさえすれば一直線に進める性格であることは知っていたので、それを見つけようと躍起になっていた。

    でも、答えはなかなか出なかった。

    昨日も久しぶりに、とりあえず手を動かしてまずは作品を作ろうとAdobeのIllustratorを開いたのだが、やはり思うようには手が動かなかった。

     

     

    手が動かないまま悩み続けていても仕方がないので、気分転換も兼ね、現在内部で進行しているRYOZENのWEBサイトをよりモダンにするプロジェクトのアイディア出しをした。

    様々なサイトを巡回しながら、どんなWEBサイトならモダンと言えるのか、どんなアニメーションを付けたらモダンな雰囲気になるのか、等について考えていた。

     

    そうしていたら、久しぶりに「楽しい」と思えた。

    手は全く止まらなかった。

    RYOZENが育っていく姿を想像しながらアイディア出しをするのが、純粋に、楽しかった。

     

    と同時に、これが自分のやりたいことなのかもしれない、と気付いた。

    みなせしゅん個人としての活動よりも、RYOZENとしての活動を大事にしたいのかもしれない、と。

     

    その瞬間、心がふっと軽くなった。

    目指したい方向がやっと見えた気がしたからだ。

     

    実はRYOZENを立ち上げた当初から、みなせしゅんとしての活動とRYOZENとしての活動の両立は厳しいのではないかと、薄々気付いてはいた。

    じゃあ優先すべきはRYOZENなのでは、掲げた理想を本当に叶えたいならこちらを優先すべきでは、と頭ではわかっていたのだが、みなせしゅんとしての活動もなかなか捨てられなかったのだ。

    全てを同時にやろうとしてしまうのが自分の悪い癖だと、改めて自覚した。

     

    でももう吹っ切れた。

    目指すべき方向が定まりさえすれば一直線に進める性格であることは自分が一番よく知っている。

    せっかく作った組織とWEBサイトがインターネットの海に溺れてしまうのはあまりにも寂しすぎるし、所属いただいているメンバーのためにも、腹を括ってリスタートしようと思った。

     

     

    そういえば2020年の目標に、「RYOZENのTwitterフォロワー数3000人」と掲げていたのを思い出した。

     

    みなせしゅんのフォロワー数が去年1年で2000ちょっとだったことを踏まえると、相当頑張らないと届かない数字なんだろうなと思う。

    シンプルに、頑張んなきゃ、と思った。

     

    サムネイルにある「新月の夜のプレリュード」は、「リスタート」を自分なりに言い換えた言葉だ。(説明するのもちょっと恥ずかしいけど)

     

     

    心にモヤが湧くときって、たぶん、やりたくないことをやっているか、やりたいことが見つかっていない時なんだと思う。

    でも「やりたくないことを避ける」「やりたいことを見つける」のがめちゃめちゃ難しいから苦労するんだよね。わかる。

     

    わりと悩みだらけの人生なので近い将来また同じようなことで悩む気もするけど、その時はもうちょっと苦しまずに解決できるといいなと、ぼんやり思った。

     

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    Writer この記事をかいたひと

    みなせしゅん |ディレクター/エンジニア/デザイナー

    RYOZEN Scratch Creations代表。

    1994年生まれ。千葉育ち。
    2019年よりフリーランスで活動を開始。
    ディレクションやフロントエンド・バックエンドのコーディング・プログラミング、グラフィックデザインからWEBデザインまで、わりとなんでもやる人。

    座右の銘は「レベルを上げて実績で殴れ」。

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