人気企画「#バナーお題」のこばやすさんを直撃!デザイン初心者が成長しまくっている理由とは【#つくイベProject】
はじめまして!キュレーターのとるてです。
みなさんは、自作のデザインやイラストをTwitterに投稿することはあるでしょうか。最近では、ハッシュタグを使って、決まったテーマの作品を募集するような企画を、タイムライン上で目にする方も多いでしょう。でも、自分が知っている企画のほかにどんな企画があるのか?この企画には自分も参加していいのか?など、自分で調べるのが難しいこともあると思います。
今日から始まる「#つくイベProject」では、こうしたSNS上で行われる作品募集企画の主催者さんから詳しくお話を伺って、いろいろなギモンを解決していきます!
記念すべき第1回のゲストは、「#バナーお題」を企画されているこばやすさん。2年ほど前から行われている人気企画で、これまで多くの人が参加してきました。インタビューでは、主催者であるこばやすさんの経歴から、「#バナーお題」で出すお題の作り方、初心者におすすめの勉強方法まで、たっぷり教えていただきました。
★「#バナーお題」
バナー制作のお題を提供し、実践的な練習ができる企画。主にTwitter上で、ハッシュタグをつけて作品を募集している。
詳細ページ:https://note.com/kobayas/m/m3e73ae9c2748
★こばやす さん
ウェブデザイナー、ウェブディレクター。Twitter上で「#バナーお題」などデザインの企画を主宰。
ホームページ / Twitter / note / YouTube
Contents
中学生からホームページ制作の勉強を
とるて 本日はよろしくお願いします!まずは自己紹介をお願いします。現在会社勤めをされているそうですが、今までのご経歴は?
こばやす 大学では心理学を勉強していて、デザインとは関係ないところからスタートしました。最初は趣味でイラストを描いていたので、それでプロダクトデザインの会社に入って製品のデザインをしていました。キャラクターグッズのキャラクターやパッケージデザインなどの仕事を3年ほど続けていました。
イラストと並行してホームページ制作も好きでやっていて、いずれはそっちの道に進みたいなと思っていたので、デザインの仕事を3年経験してからホームページ制作の仕事に転職しました。まずはウェブデザインを、そのあとにウェブディレクターになって、あわせて4年半ほど過ごしました。
そのあとに制作がしたくなって、フリーランスに転身したのですが、もう一度ウェブディレクターのお仕事がしたいと思い、今は以前勤めていた会社に戻ってウェブディレクターをしています。
とるて ウェブデザインに興味を持ったのはいつ頃?
こばやす 中学生ぐらいですかね。
とるて・みなせ 早い!(笑)
こばやす はじめはブログをやっていたんですけど、ブログはテンプレートが多くて自分の思ったようなデザインが見つからなくて。自分でデザインするにはどうしたらいいか調べたら、HTMLとかCSSとかができると自分で好きにカスタマイズできるようになると知って、勉強し始めたのがきっかけです。
とるて 心理学部に進まれたんですよね?
こばやす 心理学をメインで勉強しつつ、おまけみたいな感覚でHTMLやCSSが学べる講座を履修してみたり、既に自分でもある程度コードが書けるようになっていたので、趣味のサイトを作ってみたりしました。ホームページを作るのが流行っていた時期があったので、それで作ってみようと。
とるて 確かに私が中学生の頃もブログを作っている同級生はいましたが、中学生でホームページ制作はいなかったと思います!早い!
「#バナーお題」の魅力
短期間でできるデザインのお題を提供
とるて それでは本題に入らせていただきます。まずは改めて、「#バナーお題」について簡単に紹介をお願いします!
こばやす 架空の商品やサービスを売るための動線としてウェブサイトに張り付けるバナーを作る企画です。お題によってサイズが違ったり、デザインのテイストが違ったりするのを、自分で考えて、どういったサイズに落とし込むのか、分かりやすく人に伝えるためにはどうしたらいいのかなどの練習をするための企画です。
😆ゆる募バナー課題
— こばやす✍️現場のWebデザイナー (@kobayas_s) October 28, 2018
コンセプト👉冬限定一口チョコ。普段高いが今だけ割引価格
キャッチコピー👉ちょっと一息。贅沢をお裾分け
期間👉11/◯〜12/◯まで
ターゲット👉20〜40代の働く男女
イメージカラー👉白、水色
バナーサイズ👉W300×H280px
誰でも参加OK!#バナーお題 を付けて投稿してね✨
▲Twitter上でお題が募集されていました
とるて 「#バナーお題」を始められたのにはどんな背景があったんですか?
こばやす ウェブデザイナーになった時に、半年ほどでウェブディレクターに昇進したので、デザインをする機会が減ったんですが、まだまだデザインをしたいという思いがあって、プライベートでも何かやってみたいなと。
ただ、ウェブディレクターの仕事が忙しくて自分の時間はあまりとれなかったので、ホームページみたいに1週間とか2週間とか、時間がかかるものはできなくて。では短い時間でできるデザインは何かと考えたときに、バナーを思いつきました。
高校時代、ホームページを作っていた時に、「物書きさんへの○個のお題」*とか、イラストレーターでもお題に対して作った作品をメールで回したりといった、お題のようなものが流行っている時期があったのを思い出して。デザインもお題を出したらみんなで作品を見せ合ったりできるのではないか、Twitterのハッシュタグを使えば実現できそうだと思って、この企画を始めました。
とるて 「#バナーお題」を始める以前に、企画ものに参加した経験はあったんですか?
こばやす 小説などの文章を書くのが好きだったので、先ほど話した物書きのお題に参加したことがありました。
とるて 小説も書かれるんですね?
こばやす 今は書いてないんですけどね。(笑)
みなせ 昔からずっとクリエイティブに活動されていたんですね!
ポートフォリオに使ってもOK
とるて こばやすさんは、「#バナーお題」に投稿された作品を見ているんでしょうか?
こばやす 見ています。初心者の方でアドバイスが欲しいという方がいたりするので、最初の頃はアドバイスもしていましたね。ただ、ひとりでやっていると大変なので、今は私がいいねやRTをして、他の人に見てもらえるきっかけづくりをしています。
とるて アドバイスをされていた時期もあったんですね!
こばやす そうですね。作って終わりではなくて、どうすればもっと良くなるのかというアドバイスを求める人がかなり多かったので、簡単にアドバイスを送っていました。
とるて デザイン初心者の方の参加が多いイメージですが、実際に見ていてどういう方が参加している印象を受けますか?
こばやす やっぱり初心者の方が多いです。特に、デザインの勉強を終えて腕試しをしてみたいとか、本格的にデザイナーを目指すにあたってポートフォリオに掲載するために作ってみた、という方が多い印象です。
とるて ポートフォリオには、「#バナーお題」のお題で作った作品を掲載してもいいんですか?
こばやす もちろん大丈夫です!
とるて 実際にポートフォリオに掲載したという方はいらっしゃるんでしょうか?
こばやす います。有料でポートフォリオのレイアウトなどの相談を受けることもあって、「#バナーお題」のお題に沿った作品を掲載したポートフォリオを企業に見せて、内定をもらったという方もいらっしゃいました。
みなせ それは嬉しいですね!
こばやす 嬉しいです!実際に入社した後に「#バナーお題」の参加者にお会いしたときに、「#バナーお題」で作った作品を企業さんから褒められた、という話を聞くこともあって、やっていてよかったなと思います。
実際の依頼に近い体験ができる
とるて お題を考えるときは、何からアイデアを得ているんですか?
こばやす ゼロからお題の依頼内容を考えると、サービスとして成り立つ内容を作るのが難しいです。なので、実際にサイトに張ってあるバナーを見たり、実際に仕事で受けたバナー制作の依頼の中で、特に難しかったものなどをもとに、お題を作っていました。
みなせ プロのデザイナーさんが難しいと思った依頼を初心者が追体験できるのも、「#バナーお題」の魅力なんですね。
こばやす 私も昔は初心者だったので、はじめの頃を思い出して考え方などを伝えるようにしています。
とるて 「#バナーお題」で特に人気の回は?
こばやす いちばん最初のチョコレートの回は、やっている方が多い印象ですね。
みなせ 自分のTwitterのTLでもよく拝見します!
とるて 何か理由が…?
こばやす やっぱりいちばん最初だということは大きいと思います。はじめのものを試しにやってみて、続けるかどうかの分かれ道にもなっているかもしれません。
みなせ やっている人が多いと、それを見て興味を持つ人は多そうですよね。
とるて では、こばやすさんがいちばんおすすめしたいお題は?
こばやす 実力がつくのは、旅館のお題だと思います!いちばんボリュームが多くて難しいんですけど、ここできちんと情報を整理して見やすいデザインに落とし込めたら、すごく成長できるんじゃないかなと思うお題のひとつです。
これは、実際の依頼がもとになったお題です。この依頼を受けたとき、「あれも入れてくれ、これも入れてくれ」という無理難題を言われて。(笑)私も頭をひねらせてなんとか作ったものなので、他の人のやり方も見てみたいと思って出してみました。
いずれはホームページ制作のお題も…?
とるて 「#バナーお題」をやっていて、印象に残ったエピソードなどはありますか?
こばやす ただバナーを作成して投稿するだけでもいいんですが、それだけではなくて、どんなことを考えながらこのバナーを作ったのかという過程を、画像やnoteにまとめて投稿する方も少数います。そういった方は成長が早いなという印象がありますね。
とるて 「#こばやすロゴお題」というのも拝見しました。あれは1回で終わっちゃうんですか?
こばやす 続けたかったんですけど、当時ちょうど仕事が忙しくなってしまったので…。また何か出したいとは思っています!
とるて どうしてロゴのお題も作ろうと思ったんでしょうか。
こばやす ウェブデザインの仕事をしていると、ロゴも一緒に作ってほしいという依頼を受けることが多くあったので、簡単にでも作れる練習ができたらと思って、作ってみました。ロゴがうまくできると、そのロゴを使ってデザインしたり、サイト自体がきれいにまとまっていくので、重要な要素だと思います。
みなせ ロゴも一緒に作ってほしいという依頼はどんなサイトの時に多いんですか?
こばやす 私の場合は旅館のコーポレートサイトの依頼が多いので、旅館などのロゴを頼まれたりします。個人事業主を顧客にしていると、ロゴだけでなく、アナログなデザインなど派生してお仕事をもらいやすいので、ロゴも作れるようになるとお仕事が増えます!
とるて 「#バナーお題」について、新たなお題を出す予定はありますか?
こばやす 最終的にはウェブサイト制作のお題を出したいと思っています。そちらに集中したいので、バナーのお題を新しく作る予定はいまのところありません。ただ、ウェブサイトのお題はボリュームが多いので、初心者の方でも手を出しやすい感じに落とし込むところが難しいです。いずれは挑戦してみたいですが…。
とるて 楽しみにしています!
色の組み合わせや文字の並べ方を意識して
とるて 「#バナーお題」をやってみたい方に、素材の集め方や勉強のしかたなどのアドバイスをお願いします!
こばやす 素材の集め方としては、noteにも書きましたが、もし本当に仕事だったらということを考えて、著作権を守った素材選びをしてほしいです。実際にデザイナーが素材集めをすることが多いので、「#バナーお題」を通して素材集めの勉強もしてほしいと思います。
デザインに関しては、色を組み合わせるのが苦手な方をよく見かけるので、どんな色の組み合わせが合っているのか、お題ごとに違ったイメージの作品が作れるように練習を重ねてみるといいと思います。同じお題でも時間を置くと全く別のものが出来上がることもあると思います。
もうひとつは、初心者の方は文字の並べ方に迷うと思います。おしゃれなフォントでも、使いすぎるとかえってダサかったり、スタンダードなものを並べただけだとつまらないので、そういった文字の使いかたも勉強すると役に立ちます。
とるて デザイナーを目指す方におすすめの本はありますか?
こばやす 初心者の方なら、『なるほどデザイン』はデザインの基礎が詰まっているので、一読の価値があると思います。
みなせ 顔が書いてあるやつですよね?(笑)持ってます!
こばやす フルカラーなので、ビジュアルで「デザインってなんだろう?」というのが分かるところが魅力的ですね。文章が苦手な人でもぱらぱらめくっているだけでデザインのことが分かるのでおすすめです。
「#バナーお題」の参加方法
Twitterで投稿する場合は、「#バナーお題」をつけるだけ。アドバイスが欲しい旨を書いておけば、投稿を見た方から返信がもらえるかもしれません。
その他詳しい参加方法やルールは、以下のページにまとめられています。また、企画を始めた経緯も、より詳しく知ることができるので、ぜひご一読ください!
というわけで今回のつくイベProjectでは、「#バナーお題」について、主催者のこばやすさんに詳しくお話を聞かせていただきました。本当にあった依頼を疑似体験できる、貴重なイベントのひとつです。実践的な練習がしたい方、自分の実力を試したい方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。
お知らせ
つくイベProjectでは、SNS上で行われている作品募集イベント(以下「#つくイベ」と称します)の情報を募集しています。
皆様の「#つくイベ」を当サイトに掲載させていただき、様々なイベントの情報を1か所に集めることで、イベントが今までよりも広まりやすく、かつ必要な方に届きやすくなると考えています。
「自分の作品募集イベントも紹介してほしい!」「この作品募集イベントがオススメなので取り上げてほしい!」といったご要望がございましたら、自薦他薦問わず以下のGoogleフォームよりぜひお知らせください!
必ず掲載できるとは限りませんが、今後新しい「#つくイベ」の紹介記事を執筆する際に参考にさせていただきます。
ぜひぜひよろしくお願いいたします!
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Writer この記事をかいたひと
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