習慣化が苦手すぎるので、習慣化が得意なクリエイターさんに継続のコツを聞いてみた【クリエイターズヒントラボ #05】
こんにちは。ライターのみなせしゅんです。
この企画では、「様々なクリエイターさんにインタビューし、その価値観をシェアすることで読者の皆様の人生がちょっとポジティブに変わるヒントをお届けする」をテーマに記事を連載しています。
インタビューのゲストとして、前回に引き続き当ギルドのメンバーであるイカヅチホマレさんをお呼びしお話を伺いました。
※イカヅチホマレさんについて、詳しくは前回の記事をご覧ください。
今回のテーマは「習慣化が苦手すぎるので、習慣化が得意なクリエイターさんに継続のコツを聞いてみた」です。
習慣化が苦手すぎる私みなせしゅんが、習慣化が得意すぎるクリエイター、イカヅチホマレさんに継続のコツを伺ってみました。
前回の記事で「ホマレさんはデザインの勉強をほぼ毎日されている」と書いたのですが、Twitterを拝見しているとデザイン以外にも継続されていることがいくつかあったんです。
習慣化が苦手すぎる自分としては、ぜひそちらについてもっと深くお話を伺いたい!と考え、こちらのテーマを選ばせていただきました。
物事の習慣化は、あくまで目的ではなく課題解決の手段の一つですが、これができるようになれば課題解決の際に採れる選択肢が増えることになります。
物事を継続してできるようになりたい……!でもハードルが高そう……!と悩んでいる方の助けに少しでもなれれば幸いです!
【前回までの記事】
挑戦しながら悩むことで、道は開ける。【クリエイターズヒントラボ #01】
早く行きたいなら一人で、遠くへ行きたいならみんなで【クリエイターズヒントラボ #02】
Contents
みなせ 引き続きよろしくお願いします!今回は「習慣化」にフォーカスを当ててお話を伺います。
ホマレ よろしくお願いします~。
習慣化の原動力は自身の悩み?
みなせ ホマレさんって、何かを継続し習慣化することがものすごく得意なイメージがあるんです。最近はデザインの勉強を習慣にされていると思うのですが、以前は「夜に読書をする」とか「朝早く起きてみる」とか、デザイン以外のことも習慣化されていたなあとTwitterを見てて思いまして。
ホマレ うーん、あんまり自分ではそう思ったことなかったです(笑)
みなせ え~~そうなんですね!習慣化の鬼だと思ってました(笑) なので、何故自分に対してそんなに厳しくできるんだろうとずっと思っていたんです。
ホマレ 自分に厳しく、というのはあまり自覚していませんでした。自分の悩みに向き合って、やるやらない、どう解決するかを少しずつ判断できるようになってきたので、そう見えるのかもしれません。
みなせ なるほど~~!「どう解決するかを少しずつ判断できるようになってきた」ということは、そのようになろうと思い立ったきっかけがあったのでしょうか?
ホマレ 私は元々、自分の悪い部分に目がいきやすいところがあって、後になって過去のことを悩む癖がありました。でもある時、いやこれは精神衛生上良くないなと思いまして、それをノートに書き出すようにしたのがきっかけだと思います(笑) そこから直したい部分をピックアップして、解決できないか探ったりするようにもなりました。
みなせ そうだったんですね……!どんな感じで探っていくんですか?
ホマレ そうですね………、例えば最近、どのタイミングで転職活動を始めるか、どういう会社に入るか、デザインのスクールを休学するか否か、自粛期間中に家でどんな勉強をするか等々、大きな決断をするタイミングが増えたんですけど、そんな中で決断力がないな~~と思ったことがあったんです。その際は決断力のある知人に、普段考えをどう整理してどう決断しているか質問しました。
みなせ 知人の方を頼られたんですね!どなたかに意見を求めると自分では思ってもみなかった答えをいただけたりして面白いですよね。
ホマレ そうなんです。私が相談した時は、「KJ法を使うといいよ」という回答をいただいて。全く知らなかったので「こういう方法もあるんだ!」と発見になりました。
KJ法とは
KJ法とは、1枚の紙に1つずつアイデアを書き込んでいき、それぞれの位置を移動させながら、全体を俯瞰して整理整頓していくアイデア発想法です。
バラバラに集められた多くの情報に対して、「グループ化 ⇒ ラベル化 ⇒ 図解化 ⇒ 文章化」のステップを踏むことで情報同士の関係性を視覚化し、本質的な問題や解決策の発見、アイデアの創出をすることができます。
収束的帰納法の中では、最も代表的な技法とされています。
参考:https://swingroot.com/kj-method/ KJ法のやり方とコツ|アイデアをまとめる手順をわかりやすく解説
ホマレ 手順はブレインストーミングやマインドマップに近いんですけど、まずは大きめの紙を準備して、決断したい事項を中心に書きます。その周りに、それについて思うことを付箋に書いて貼り、一通り出せたらグルーピングしていきます。そうすると自分の考えを客観的に見ることができて、その事項に対して自分がどういう感情を抱いているか、何がハードルになっているか、などが見えてくるんです。
▲このようにグルーピングしていく
みなせ え~~!面白そう!この方法で以前より決断しやすくなりましたか?
ホマレ はい、この方法のおかげで前よりちょっとだけ早く決断ができるようになってきました。また、悩むことに時間を割くのではなく、どうしたら解決できるのかという部分にフォーカスを置けるようになったことで、他の悩みも解消しやすくなり、モヤモヤする時間が全体的に減った気がします。
みなせ 確かに、自分の状態を言語化して解決策を練ることができれば、その時点で悩みは「解決できないもの」から「解決できるもの」に変わり、メンタルへの負荷が物凄く減るのはわかります。物事を継続できるホマレさんは、傍からだと自分に厳しくしているように見えていましたが、どちらかといえば問題解決をしている感覚なんですね。
継続を諦めたりはしない?
みなせ ちなみに、特定の分野のスキルを伸ばすといったような、何かを継続しないと解決しなさそうな課題が見つかったとします。その際、なんか大変そうだし~~とやる前から諦めたり、途中で継続をやめたり、といったことはないのでしょうか?
ホマレ 正直あります(笑) でもそんな時は目標のレベルを下げるようにしています。100がゴールだったとしたら目標を一旦80まで下げてみたり、下げた80を20×4個に分けて、まずは20を1つクリアしよう、みたいに考えて、自分の直近の負荷を減らすようにしています。
みなせ なるほど~~!!先が見えなすぎる努力は確かにしんどいですもんね。実際、この目標は下げたな~~みたいな具体例はあったりしますか?
ホマレ まだ会社員だった頃、デザインのスキルを高めるために毎日バナートレースをしようとしたことがあるんです。でも冷静に考えて、残業の日もあるだろうし、体調が悪くて厳しい……って日もあるだろうなと思い、週に3日は何もしない休憩日を作ろうと決めました。こんな感じで目標を下げたことはあります。
みなせ そうだったんですね!でもホマレさんの場合、週に3日休憩日を作ったとしても、それ以外の4日間は確実に継続できるんですよねきっと……(笑)
ホマレ そうだと思います(笑)
みなせ その意思の強さも、課題を解決したいという想いが原動力なのでしょうか?
ホマレ それもあるかもしれませんが、私の場合は進捗を毎日Twitterにアップするようにしていて、フォロワーさんに「こいつ今日やってないな…」って思われることへの恐怖を原動力にしている部分もあります(笑) あとはフォロワーさんと朝活をする約束をして、作業しなければならない環境を作るとか。
みなせ 自分にうまくプレッシャーがかかる形にしているんですね。
ホマレ そうですね。
みなせ 人ってやらない言い訳を探して怠ける天才ってよく言うじゃないですか。でもそれを自覚しないまま高い目標を設定してしまい、達成できずに「自分ダメだなあ」って思っちゃう人って多いと思うんですよね。でもホマレさんの場合、自分が怠ける可能性があることを自覚した上で解決策を練っておられるんだなあという印象を持ちました。
ホマレ 確かに、できない部分はちゃんとできないって自覚するのが大事かもしれないです。自分の特性を理解しないと続くものも続かないなって。私も以前は、勢いで高い目標を掲げて疲れちゃうことがあったので、そうならないためにも「この目標は本当に達成できるのかな……?」と一旦立ち止まって考えるのが大切だと思っています。
目標の立て方のコツは?
みなせ ちなみに、先ほどおっしゃっていた「ゴールをちょっと小さくしてみる」みたいな目標の立て方って、何かを参考にされたのでしょうか?
ホマレ 先ほどのバナートレースのお話の時に、「休憩日を作るようにした」と言ったと思うんですけど、それって実はテレビで見たダイエットのお話からヒントを得たんですよ。
みなせ ダイエットですか!?(笑)
ホマレ ダイエットって、毎日続けて目標を達成したとしても、その後のリバウンドが物凄く起こりやすいみたいで。それを防ぐために、好きなもの食べてよいチートデー(休憩日)を作っておく、という考え方があるんです。普段から適度にガス抜きすることで、途中でだれたり、やりきった後に燃え尽きたり……、ってことが起こりにくくなるそうで。それをそのまま応用しました。
みなせ 面白いですね……!めちゃめちゃ参考になります。
ホマレ あとは「小さな習慣」という本も参考にしました。「習慣を続けるには」「成果を出すには」といったテーマの本なんですけど、その中に「目標を小さくする」みたいな節があって。例えば筋トレだったら5回から始めてみるとか。
みなせ えええ、そんなに下げていいんですね……!!
ホマレ そうみたいです。最初は自分が余裕でこなせるぐらいまで量を少なくして、継続が苦ではなくなったら回数を徐々に増やす。今半端ない量の何かを継続してこなしている方でも、最初のうちはかなり少ない量で始めて、少しずつ負荷を増やしていったからこそ諦めずに継続できているんだと思います。
みなせ なるほど~~!それを聞いたら習慣化のハードルがぐっと下がった気がします。
物事の優先度が変わったら?
みなせ ちなみに、何かのタスク(例えばタスクA)を習慣化して毎日継続していたとするじゃないですか、その間にタスクの優先度が変わって、別のタスク(例えばタスクB)の方が優先度が高くなってしまう、ということはないのでしょうか?
ホマレ あ~、あるかもしれないです。それが起こり得る場合は、1週間とか1か月とかで期間を定めて、その期間中は何がなんでもタスクAを継続する!って予め決めておくのが大事かもしれないです。ひたすらずっと続けようとするのではなくしっかり終わりを決めると、スケジュールの柔軟さをある程度保ちつつ物事の継続ができるような気がします。
みなせ 確かに~~!!1週間単位とかなら、タスクの優先度が入れ替わりやすい人でも続けやすいかもしれませんね。逆に、優先度が高い別のタスクが来たらタスクAをやめる、それまでは継続する、みたいなやり方でも無理なく継続できそうな気がしてきました!
習慣化が苦手な方へ
みなせ では最後に、物事の習慣化苦手かも……でもできるようになりたい……!という方々に向けて、メッセージをお願いしたいです。
ホマレ 習慣化する上で大事なことって、できなかった自分に対していかに罪悪感を与えないか、できた自分に対していかに達成感を演出できるか、という部分だと思うんです。できないことがあっても、たくさんの人に受け入れられる素晴らしい人でなくても、「ありたい自分であれば良いんだ」と思えれば人と比べて落ち込むことも減るんじゃないかと思います。
みなせ ありがとうございます!「いかに罪悪感を与えないか」というのは、序盤におっしゃっていた「自分の特性をちゃんと理解しよう」というお話に繋がる部分でしょうか?
ホマレ そうですね。人によって、1週間余裕で続けられるとか、3日でもしんどいとか、いろいろあると思うんです。なので自分の特性をちゃんと理解した上で自分に合った目標を設定し、ちょっとずつ継続する期間やこなす量を増やしたり、適度に休む期間を設けたりするのが大切だと思っています。
みなせ なるほど!では「いかに達成感を与えるか」というのは?
ホマレ 予め目標達成のためのチェックリストを作ったり、進捗をTwitterにアップしたりして、自分のこなしたものを何らかの形で残るようにしておくんです。そうすると、後で振り返ったときに「ああ自分ちゃんとやったじゃん」って思えて、達成感につながります。これのおかげでまた頑張ろうって思えますし、逆に達成できなかった部分があっても、次はこうしてみようと建設的に考えられるのでおすすめです。
みなせ なるほど、ありがとうございます!そういえばこのお話を聞いていて思ったんですけど、自分の場合「これだけやったんだな~~」みたいな振り返りってあんまりしてこなかったんです。どうしても達成できていない部分ばかりに目がいってしまって。足りない部分って出そうと思えば無限に出てきますし、そこに目を向けすぎてもしんどいかもなあ、たまには達成できた部分を振り返って「自分なんだかんだできるじゃん」って思うのも大事だなあって思えました。
ホマレ そうですね、たまには自分の良いところを振り返って自己肯定感を高めていきましょう!(笑)
おわりに
みなせ というわけで今回のクリエイターズヒントラボは、習慣化が苦手すぎる私みなせしゅんが、習慣化が得意すぎるクリエイター、イカヅチホマレさんに継続のコツを伺ってみました。習慣化が苦手な自分としては目からウロコなお話ばかりでしたし、物事を継続するハードルもぐっと下がりました!目的意識のある「継続」はメキメキと力が付く印象があるので、課題解決の手段として有効そうな場合は自分も習慣化に挑戦してみようと思います。
習慣化が苦手な皆さんも、ぜひ今回のお話を参考にしていただきつつ、物事の継続にゆるく挑戦いただければと思います!
最後になりますが、もし「ためになったよ~~」等のご感想がありましたら、記事下の共有ボタンからぜひハッシュタグ「#クリエイターズヒントラボ」を付けて感想をつぶやいていただけたらとても幸いです!ではでは!
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Writer この記事をかいたひと
RYOZEN Scratch Creations代表。
1994年生まれ。千葉育ち。
2019年よりフリーランスで活動を開始。
ディレクションやフロントエンド・バックエンドのコーディング・プログラミング、グラフィックデザインからWEBデザインまで、わりとなんでもやる人。
座右の銘は「レベルを上げて実績で殴れ」。
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