コラム 2021-07-09

SAKUZINE#03【ゲスト:YOSTEBITSさん(後編)】

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SAKUZINE#03【ゲスト:YOSTEBITSさん(後編)】

ゲストプロフィール

YOSTEBITS

グラフィックデザイン、作字専門。 Project YOSTEBITS 主宰。 1996年佐賀県生。 2016年より「ハシモトナオ」名義で、某アイドルグループのファンアート制作、及びインターネット上での発表を開始。 2019年まで複数回のグループ展へのイラスト参加、ロゴデザイン、アートディレクションを経て、ファンアート活動に幕を降ろす。 同年、個人のグラフィックプロジェクト「YOSTEBITS」を発起。 映像作品、Webサイト、YouTuber、VTuber等、デジタルメディアを中心としたロゴデザインを請け負いながら、「娯楽とグラフィック」をテーマに作字作品の発表を続けている。

Contents

    YOSTEBITSさんのテーマ性(方向性)〉

    ふくだ 作字って、目に見えてわかる「その人らしさ」ってあると思うんですよ。僕だったら「おもしろかわいい」をテーマに掲げて作字をしているんです。YOSTEBITSさんの場合 は何かテーマや方向性などは決めているんですか?

    YOSTEBITS 俺も最近まではテーマとか無くて。結局ロゴから入ってるから、ロゴと作字の区別がそこまでついてなくて。要素や文脈を十把一絡げに集めて優先順位をつけて作るのというのを、ロゴと作字どっちでもやってた事だから、結局理屈で作ってるんです。けど最近はいろんな人の作字を見ていて、自分も好きな形を追い求めようと思って。

    たかしー うんうん!

    YOSTEBITS 結局自分は何が好きだろうと考えたときに...
    例えば
    iren さん。VTuber のお仕事が多い方。 あとは言わずもがな、かねこあみさん。デジタル感を意識したソリッドなもの。
    あと
    MILTS さん。髭文字をメインに作字されている方。 主にこの方々から影響を大きく受けたので、直線としてはデジタル感を持つということ、曲線に関しては髭文字だけでなく江戸文字全般が好きなんです。そういったことを考えるとやっぱり「強いもの」が好きなんです。表現としてちゃんと「強い」ものを作ろうと。元々自分はモダニズムのデザインが好きなのでそういうところに惹かれてしまうんです。インパクトのあるものを作るために、これからはそういった方向でやりたいから、それに合わせて個展もやろうとしてるし。

    ふくだたかしー おお〜!!

    YOSTEBITS 「デジタル感」と「江戸文字感」ですね!

    ふくだ 今回のYOSTEBITSさんのロゴのリニューアルもそういうことですよね?

    YOSTEBITS そうですね。僕の中での再定義なんですよ。ちゃんと方向性を指し示そうって決めたんです。

    ふくだ 新しいロゴめっちゃ良いなと思って、超かっこいいじゃないですかこれ!初めて見たときひとりで感動しちゃて(笑)

     

    〈個性を持つということ〉

    YOSTEBITS 旧グラフィックデザイナー的な考え方で言うと個性って広告とかに必要ないもので、何を伝えるかってことが重要。でもそう言ってられない時代だから、個性を持つことで幅が狭まったりとか伝えたいことが伝えられないという弊害もあるんだけど、結局デザインって社会性と芸術性のバランスだなと思うんです。自分も個性を主張していかないと立ち位置が確保できないと思って。周りのことを考えると個性は持っていた方が後々損でもない。損得勘定で個性を考えてる(笑)

    ふくだ ははは(笑)

    YOSTEBITS 自分が思っている以上に見てるものからの影響って出てますよね。

    ふくだ 出てますよね〜!

    YOSTEBITS ゾッとしましたもん、この前自分の仕事 3つくらいを見て「あ、全部この範囲に収まってるやん」って(笑)だから個性はいずれ見つかりますね。

    ふくだ 特に個人依頼の場合は依頼者がわざわざ自分に依頼してくれてるわけだから、そういった個性も入れていい場合がありますからね。

    たかしー 僕も一度依頼で作った時に「もっと自由に作っていいですよ」って言われたことがありましたね。きっと自分が考える「最強」が作っていくうちに出てくる気がして。「この人のここが好き」を集めて作って精査したら最終的に自分らしさに繋がると思います。

     

    〈究極の二次創作〉

    たかしー 文字なんて0ベースで作れないですから。僕らは作字するときに、すでに完成された文字を借りてますからね。

    YOSTEBITS 文字自体は完成されたものじゃないですか。だから作字って究極の二次創作なんじゃないかって。結局あるものを作ってるから。

    ふくだ 確かに...!

    YOSTEBITS キャラクターデザインに近いところもあるし、文字という肉体をポージングさせてるわけですからね。

     

    〈作字で世界観を構築する〉

    YOSTEBITS 作字ってラップみたいなものだと思ってて。言葉を使うし、形という韻とかリズムがあってその中で作られていくものだからすごくラップに近いんです。ネットの作字ってフリースタイルラップをしてるようなものだなと。だとしたら音源を作ることも大事だよなと。

    ふくだ はいはいはい!

    YOSTEBITS パッケージ化を意識することよって自分の世界観を作ることになるだろうし。どういう形のパッケージにするかは俺も悩んだんですけど、とりあえず「展示会」という空間の中に作るという結論になって。

    ふくだ 一つの空間の中で演出するってすごく面白そうですよね。

    YOSTEBITS たぶん世界が作れると思うんですよね。例えば『タイポさんぽ』という書籍があって。あれって文字に着眼することで街の見え方が変わるということじゃないですか。 自分にない感覚が生まれることによって、自分の住んでいる街の景色が違ったものに見えるという。そういう感覚が新鮮だし、そういう感覚を知る人が増えればいいなって。だからそれを再現したくて展示会の空間の中でやっちゃおうって、今考えてるのは作字で街を作ることなんですよ。

    ふくだ お〜〜!今はその準備として構成を練っているという感じなんですか?

    YOSTEBITS めっちゃインプットしてます(笑)

     

    〈最後に〉

    ふくだ 最後に何か宣伝したいこととかありますか?

    YOSTEBITS え〜〜でも今は「依頼募集してます」くらいかな(笑)

    ふくだ そしたらSNS情報を大きめに載せておきます!

    YOSTEBITS はい!見て!とにかく見て!フォローして!(笑)

     

     

     

    今回のSAKUZINEはここまでになります。最後までお読みいただきありがとうございました。

    YOSTEBITSさんの目指すテーマ性と世界観に、作字の意義を見出せた気がします。

    さらには個展計画のお話までお聞きできました!!

    次号のゲストはどなたになるのか、どんなお話が聞けるのか、お楽しみに!

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    YOSTEBITSさんのTwitter
    https://twitter.com/YOSTEBITS/media

    YOSTEBITSさんのInstagram
    https://www.instagram.com/yostebits/?hl=ja

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    作字に関するあれこれを発信中。

    Writer この記事をかいたひと

    ふくだ |デザイナー|ロゴ|タイトル|作字

    群馬県在住。
    SNSでは作字メインで活動中です。
    趣味はカメラとコーヒーです。

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